宮田晃碩|知とはなにか―石牟礼道子『苦海浄土』における「聞き書」を例に

11月21日に第5回オープンチームサイエンスウェビナーを開催しました。地球研にインターンとして滞在中の宮田晃碩共同研究員が、石牟礼道子『苦海浄土』における「聞き書」を例に、知とはなにかという問題について研究報告を行いました。当日の様子をyoutubeに公開しています。

日時:2018年11月21日(水曜日)12時15分〜13時
話し手:宮田晃碩(東京大学大学院総合文化研究科博士課程2年、地球研共同研究員)
聞き手:中原聖乃(地球研)
話題:知とはなにか――石牟礼道子『苦海浄土』における「聞き書」を例に
要旨:「知」とは何でしょうか。主体の多様性に応じて、「知」のあり方も多様なはずです。一体どうすればその中で対話し、共通の知を作り上げることができるのでしょうか。今回のウェビナーは、このような問題関心をお持ちの宮田晃碩さんをお招きし、石牟礼道子『苦海浄土』の意味と価値について、お考えを伺いしました。『苦海浄土』は社会から疎外された水俣病患者たちの現実を伝える作品として有名ですが、そこに収められている「聞き書」は実のところ、石牟礼による創作を多分に含んでいるのです。するとこれは資料として客観性を欠き、「知」としての価値を減ずる、ということになるのでしょうか。ここには倫理的な問題も絡んでいます。こうした点に関して、哲学の観点から考えていきます。